看護職員の働き方改革の一環として、ユニフォームを日勤・夜勤で色分けする、ユニフォーム2色制を採用する病院・クリニックが増えてきました。
日勤スタッフと夜勤スタッフがひと目で把握できるようになり、多くの医療機関で時間外勤務が大幅に削減されるという成果を出しています。
また、役割や職種によってユニフォームの色だけを変え、院内に統一感をもたせ、病院のイメージアップや、チームワークの向上に役立てている病院・クリニックも多く見られるようになりました。
ユニフォームを考えるうえで、色はとても重要です。
上記のように着せる側の企業(病院・クリニック)、着用者、見る側(患者さまやそのご家族など)それぞれにメリットをもたらすことができます。
その一方で、色を使用するうえで注意すべき点も存在します。
色の見え方・感じ方には人によって違いがあることをご存じでしょうか。
こちらでは、特に色弱の方や高齢の方にとっての色の見え方に焦点を当てて、カラーユニバーサルデザインの考え方を取り入れたユニフォームの選び方をご紹介します。
色の見え方の多様性
色は誰にでも同じように見えているわけではありません。
人の目にはレンズの役目をする水晶体があり、ここから入った光は網膜に写り、視細胞によって色を認識しています。
視細胞には、波長別の感度が異なる3種類の錐体があります。
赤、緑、青の3種類の光をそれぞれ主に感じる機能を持つ錐体が、光を感じる度合いの違いによって様々な色を識別しているのです。
3種類の錐体の一部がないか、十分に機能しないために、色の見え方に違いがあり、色の見分けが難しい人がいます。
こうした色弱の方は、日本では男性の20人に1人、女性の500人に1人、日本全体では300万人以上いるとされています。
また、目の疾患や加齢に伴う色覚の変化を合わせると、日本には約500万人程度の色弱者がいると言われています。
色弱は珍しい現象ではないのです。
色弱者の色の見え方
多くの色弱者は、「赤と緑」の判別が苦手です。
色弱の約75%は緑を主に感じるM錐体の変異、約25%は赤を主に感じるL錐体の変異で、赤と緑を識別しにくいという点で似ています。
この他にごくまれですが、主に青を感じるS錐体の変異によって「黄と青」の判別が苦手なタイプもあります。
多くの色弱者が赤みと緑みをを感じにくくなっているため、上の図のように、黄色を上にした色相環で左右方向に区別しにくく、上下方向の色は区別されます。
つまり、「赤~緑」までの範囲の見分け・「紫~青」までの範囲の見分けが困難なのです。
また、濃い赤は黒やこげ茶と混同しやすく、暗い場所では他の色よりも暗く変化し、目立たなくなります。
高齢者の色の見え方
年齢を重ねると水晶体は黄変(褐色化)します。
それにより、短波長の光(青い光)が吸収され、青色の光を感じにくくなります。
また、紫外線により濁っていくので、黄色~褐色のヴェールを被せたような色に変化して見えるようになっていきます。
青みがマイナスとなることで、青と黒、白と黄などは区別しにくくなります。
また、明度差(コントラスト)があまりない色使いは、区別しにくい傾向にあります。
カラーユニバーサルデザイン
カラーユニバーサルデザインとは、文字通り色のユニバーサルデザインです。
ユニバーサルデザインは、どんな人にとっても快適に利用できる設計を行うことです。
色覚多様性に配慮し、色弱者や高齢者特有の見え方を考慮した、誰もが視認しやすい色使いをすることがカラーユニバーサルデザインです。
色相に配慮
「赤~緑」の範囲の色と「紫~青」の範囲の色、それぞれから色を選ぶと色の違いがわかりやすくなります。
また、多くの色弱者にとって識別が難しい「赤と緑」を使う必要がある場合、赤を「オレンジ」に近い色、緑を「青」に近い色にして濃さを変えると、比較的区別しやすくなります。
明度や彩度の差を利用する
色弱者は色相の違いがわかりにくくなっていますが、明度が異なっていれば比較的区別しやすくなります。
また、彩度の高い色(白や黒を含まない色)に比べて、彩度の低い色(白や黒を含む色。パステルカラー)は識別が困難です。
明度差(コントラスト)を加えた濃淡の違いで表現すると識別しやすくなります。
ハッチング(地模様)や境界線を加える
色以外の工夫では、同型でも地模様を加えたり、強調したいデザイン部分は色の境に細い黒や白などの輪郭線や境界線を入れるとわかりやすくなります。
カラーユニバーサルデザインの考え方を取り入れたユニフォームの選び方
看護服や医療従事者のユニフォームを色分けする場合にも、カラーユニバーサルデザインの考え方を取り入れると、医療機関の訪問頻度の高い高齢者や、決して珍しくはない色弱の方にも視認しやすく、色分けのメリットを最大限に活かせるようになります。
配色のバリアフリーに配慮したカラー選びの例をご紹介しましょう。
色相に配慮したユニフォーム選び
「赤~緑」の範囲の色と「紫~青」の範囲の色、それぞれから色を選んだ例です。
黄色と紫がかった青の対比は、黄色を上にした色相環でちょうど上下方向に位置していて判別しやすく、ニュアンスカラーが一般色覚の人にとっても美しい組み合わせです。
商品コード:HS-8041 |
商品コード:HS-8043 |
ハッチング(地模様)を加えたユニフォーム選び
色弱者にとっては、赤紫系のローズピンクはグレーと混同して見えます。
同じ形のVネックスクラブにグレンチェックの地模様を加えることで判別しやすく、全く違う雰囲気になるので、職種分けなどに適しています。
商品コード:HS-8090 |
商品コード:HS-8120 |
その他、色の工夫に加えた輪郭線や境界線の利用は、刺繡やロゴのデザインに活用すると良いでしょう。
ラフィーリアは、チームでお揃いの刺繍やロゴを入れたいというご要望にもお応えできますので、ぜひご相談ください。
看護服の色分けはカラーユニバーサルデザインの考え方も取り入れて
いかがでしたか?
こちらでは、特に色弱の方や高齢の方にとっての色の見え方に焦点を当てて、カラーユニバーサルデザインの考え方を取り入れたユニフォームの選び方をご紹介しました。
配色のバリアフリーに配慮したカラー選びをして、色分けのメリットを最大限に活かしてくださいね。
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